無添加食品の誤解


 最近、環境ホルモンなどを意識して無添加食材がかなり出回っています。これは素晴らしいことですね。やっと日本のメーカーも人間的になってきたかと喜んでいる人も多いことでしょう。しかし、無添加だから安心な食材か、というとそうとは限りません。

 例えば、醤油。ここでも紹介してますが、無添加の醤油には保存料も、着色料も、調味料も入っていません。でも原料の大豆がどのようなものかは表示されていません。この大豆には沢山の農薬が使われているかもしれません。更にもし輸入大豆なら防腐剤、防かび剤がばらまかれているでしょう。
悪くすると遺伝子操作によってかなり強い除草剤に耐性が付けられているかもしれません。これについては製品を見ただけでは分かりません。
 

 このように一段階前の製造過程、または原料に添加されたものに関しては品質を表示する義務がないのです。これを「キャリーオーバー」といいます。これからはキャリーオーバーに関しても神経をとがらせる必要があるでしょう。輸入の原料が増えるということは農薬汚染も増えるということです。よほど高性能の運搬法、運搬船が現れないかぎり、輸入運搬中は薬剤で食品を保護するしかないのですから。
 

 しかし、添加剤だらけのものよりは安全であることは確かです。このご時世、無農薬の原料を使っていたらそう明記するでしょう。それがないということはどんな原料を使っているかはわからないのです。それならせめて無添加の食材を買うのがベター、さらに「無農薬」「無添加」がベストであることは論を待ちません。
 それにしても、無農薬原料は高価です。育てる手間が半端ではないからです。
最近は、生物農薬と言って本来の食物連鎖を使った害虫退治方法がトレンドになりつつあります。これは無農薬です。しかし、昔はみんなこうだった。どうしてこうなってしまったのか。農業のあり方自体が問われなくてはならない問題ですが・・(おわり)