自然のものは安心?

「どんかんになった人間たち」


環境問題を考えるとき必ず出てくるのがこれです。

自然のものが安心なのでしょうか?いえ、毒茸だってフグの毒だって人間には有害です。そりゃそうですが。
でも普段食物から摂取しているカリウムも放射性物質ですし、御影石からも放射能は出ています。
太陽光線に含まれる紫外線には殺菌効果もありますし、皮膚癌の原因にもなります。
カルシウムや緑黄色野菜をとるのはいいですが、結石の原因にもなります。満遍なく食事していれば心配ないのにね。

大豆には女性ホルモンのような働きをする物質が含まれています。環境ホルモンと同じ働きをすると言われています。化学物質より滞留性は低いという説もありますが、昔から豆を食べ過ぎると鼻血を出す、とか、豆腐や豆の味噌汁にはワカメを入れろ、などと言われていますよね。子供には食べさせない方がいいです。

逆に自然のものを嫌ってしまっておかしくなったものもあります。
花粉症や喘息などのアレルギー反応は体内細菌が減ったからだといいますよね。抗生剤などの多用で体内の善玉菌も減り、アレルゲンを体内で分解できないからだ、などと言う説があります。
人間にも様々な菌が必要で、抗菌グッズと消毒のしまくりでそれらを殺してしまうのに問題があるのです。たしかに有害な菌は死ぬでしょうが、それと同等の有益な菌も殺しています。有益な菌が優勢なら、多少の有害菌は体内で殺されてしまいます。それが自然の力というものです。

化学物資のせいで我々は「何が人間の見方か、敵か」と言う判断力が失われつつあるのです。
自然の中にも有害物質は沢山あり、祖先はそれらとうまく共存してきました。そのノウハウが崩れようとしているいま、毒入りのカレーを食べても食中毒だと思ってしまう保健所や、ヘンだと思っても、吐いて水を飲んで吐いて胃を洗おうともしない人間達がいるのです。
祖先はこれを繰り返して敵味方を区別してきたのです。知恵を付けてきたのです。何だか人間はとても馬鹿になったみたいな気分です。