英霊は戦争犠牲者なのか??



戦争責任には2つの面がある。それを見ないと靖国問題は埒があかないと思う。
ひとつは東京裁判に則し、戦争責任は戦犯にあり国民は犠牲者である、という考え方だ。
関係諸国の戦争判断はこれをベースにしているが、これはあくまで政治取引の結果であり、
当事者である日本国民がこれを声高に叫ぶのは無責任であり卑怯にも思える。


もうひとつは(道義的)戦争責任は本来全ての国民にあるということだ。
日清、日露と戦勝に歓喜し、先の戦争では武器原料まで提供していた国民にどうして戦争責任がないのか。
あの社会を作ったのは国民の総意であった筈だ。反対はできなかった、というのは無責任だろう。
現に命がけで体制に挑んだ人々も存在したのだから。

だが、政治家はこれを口にはできない。

さて靖国の英霊も戦犯たち同様、戦争遂行者の一部といえる。
また敵に殺されたという意味では戦犯も同じ英霊だ。戦犯や英霊たちを送り出した責任は国民にもある。
この三者が集えるのは靖国神社だけである。
靖国神社には奢り、好戦的だった過去の醜い日本がある。が、彼たちは平和日本の礎でもある。
ここに詣で自戒と感謝の念に浸るのも残された日本人には必要なことだ。だが、首相はこうは言えないのである。

(おわり)