土浦祇園祭-土浦を救える唯一のイベント


 7月下旬、土浦でも祇園祭りなるものがあります。旧市街12町が山車をだし、なかなか大がかりなもの。最終日には目抜き通りで競演があり、町中は祭り1色となります。
 しかし、これはそれほど有名なものではありません。9月にある近隣の石岡の祭りなどは遠くからも見に行く人が多いのですが、土浦の祭りの話題を他の土地でふられたことは皆無。知名度は極めて低い。

 原因としては、以前は8月上旬に比較的有名で、かつ周辺からの集客が要求される「七夕祭り」が存在し、また10月には「全国花火競技会」もあって、この祇園祭は土浦の内輪的催しとしてひっそりと行う必然性もあったのでしょう。

 しかし、他のコーナーで書いているように、七夕祭りは縮小、無実化した現在、むしろ祇園祭の方が話題性は高い。土浦への関心を高め、かつ集客をねらうなら、もっと宣伝し、観光祭りとしての側面を打ち出すべきではないかと思います。花火競技会も有名なものではありますが、夜の行事であり、商店会としてのメリットはありませんからね。祇園祭だけが名実ともに唯一イベント性を維持していると言ってもいいのです。

 とはいえ、祇園祭は旧市街だけの祭り。土浦の旧市街はせまく、新川と桜川の間の町だけが参加できます。両側の町はいずれも旧土浦ではなく、それぞれ別の祭りを行っているのです。昔からの人々は、「生粋の土浦っ子というのは、この新川、桜川の間で生まれた人間」と言ってはばかりません。この辺りの保守性が祭りの解放政策にも影響しているでしょう・・。

 しかし、この祭りは祭礼であり、いわゆるよそ者が見て参加してもよい祭りです。各地には、未だによそ者を受け入れない地域住民だけの「祭り」が多く存在しますが、土浦の祭りはそれに該当しません。土浦旧市街民が土浦市民として外に向けた祭りを演出できるかどうか、それが土浦の街興しの行方を左右すると思っています。いずれにしても、きちんと企画、演出できる人材がいないのが致命的なのかもしれませんが。

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